はじめに 看板への思い

昔はまちの看板って、味のあるものや遊び心のあるものがいっぱいありましたよね。
ところが近年、文字と写真ばかりでポスター的なグラフィック系のものばかり。
しかも、デジタルなものばかりで、スマートではあっても味がないし、面白くもない。
看板はまちの文化そのものだし、まちの景観をつくる大きな要素でもあります。
お店と周辺に住む人々や街にやって来る人々との大事なコミュニケーションツールでもあります。
店主の人格やこだわりが表情に出てくる、いわゆる店の顔でもあります。
もちろん、店の繁盛を最も大きく左右するものであることは言うまでもありません。

昔は、木の看板や鉄の看板、手描きの絵や文字の看板、布の看板など、看板の素材や製作技法も多種多様でした。
デジタル化の波で、看板がどんどんワンパターン化していく、看板屋さんの持っていた特殊な技術や個性が薄れていく。
このままでは、どこの看板屋さんも同じになってしまい、差がなくなってしまいます。
ということは、看板屋さんは町に一軒あればいいことになってしまいませんか。

別に懐古趣味ではありませんが、店主のこだわりや個性を表現するには、もっともっといろいろな素材や手法があって、
自由な発想でデザイン、製作できるようになってほしいものです。
そして、
世の中は、デジタル化社会にどんどん変わっていくのは仕方ないことですが、かたや心の時代、心の豊かさを求める時代になってきたのも事実です。
これからは、五感で幸せを感じる時代。
五感産業の幕開けを全身で感じます。
そのためには、やはりアナログ(手づくり)の看板が復活、というより再構築(リセット)されるべき時なのではないでしょうか。

街を歩いていて、元気になる、ワクワクする、温かい気持ちになる・・・・等々、そんな看板をみつけて皆さんにご紹介して行きたいと思います。
そして、いつか街に活気があふれ、人と人の出会いが生まれるようなドラマチックな、いわゆる劇場都市になって行くことを夢見て情報を発信しつづけていこうと思います。

皆さんからのご意見やレポートの投稿などしどしお寄せくだされば幸いです。